- 初版 : 2008/01/14
- 検証機 : SL-C3000/3200 + 512MB CF カード
- 2008/03/21 に SL-C3100 に関する追記を行いました。(SL-C3100 の持ち主の ex さんに感謝します)
HDD Backup 概要
SL-C3000 以降、SL-C3xxx と題する機種には 4GB 以上のマイクロ HDD ドライブが搭載されています。しかし、パーティションの切りなおしや代替 ROM 投入、HDD 換装などで今までの環境が使えないのは困ります。ということで、HDD バックアップ手順を記述します。
前提条件
- ZaurusはAC電源を準備しておくこと(接続はしない)
- 512MB以上の空のCFカードを用意すること (SDカード不可、注意)
- 検証は SL-C3000 + 512MB CFカードで行っています。
- /dev/hda3 (辞書データ・ /hdd3 や ~/Documents 以下のユーザーデータ) については事前にバックアップしてください。
- バックアップ手順についてはメモしていません (Windows PC に接続してまるごとバックアップする、コンソールで tgz ファイルに圧縮して SD カードにコピーなど、手段は各自で考えてみてください)
サービスメニュー経由の HDD バックアップ手順
- 起動中の全アプリケーションを終了させる (編集中の何かがあったら保存かキャンセルしておく)
- 画面左下のQtボタン(スタートメニューもどき)から再起動を選択
- 一旦再起動のファンファーレまで待つ (常駐物以外は何もない状態にする)
- 画面左下のQtボタンから「電源OFF」を選択、画面液晶が暗くなるのを確認する
- Zaurus 下の裏蓋からバッテリを取り出す。SD/CFカードスロットも取り外しておく。 (AC 電源はまだ外したままで)
- 操作用のペン、クリップのようなもの、裏蓋の突起を1回押す(/Zaurus/Core/nandbackup 参照)
- 「D」キーと「M」キーを押しながらAC電源を接続する (バッテリはロック解除で、外したままです)
- サービスメニューが起動する。
- 1GB-2GBの空のSDカードを挿入する
- カーソルの上キー (メニュー画面通りにみた場合は右方向) を2回押下
- ページ3/3 で 「2. BACKUP RESTORE MENU」が黄反転している状態(違う場合は左右キー[メニュー基準でいくなら上下方向]で反転位置変更)で 「OK」キーを押下
- 「4. HDD BACKUP」が黄反転している状態で「OK」キーを押下
- 「Execute?」との英語通知が出る。「OK」キーを押下。
- 「Copy to CF from HDD, OK?」との英語通知が出る。「OK」キーを押下。
- 「Backup...」表示になるため、待つ。
- 私の SL-C3000 はここでエラーになるため、バックアップができません orz
- 「Backup...OK」になったらバックアップ完了と思われます。
コンソール経由の手動バックアップ手順
パーティション構成はデフォルトで以下のとおりです。
- SD/CFカードはあらかじめ外しておいておく。
- バッテリー蓋をはずし、「D」+「B」キーを同時押ししながらリセットボタン
- 普通に起動する
- login: で root と入力
- SDカードを挿入する (CFカードもこのタイミングで入れる)
- mount /mnt/card を実行 (CFカードの場合は mount /mnt/cf)
- cd /mnt/card/Documents/ でディレクトリ移動。
- バックアップを行う。コマンドは以下の通り。
- dd if=/dev/hda1 | gzip > slc3000-hda1.gz
- dd if=/dev/hda2 | gzip > slc3000-hda2.gz
- cd コマンドで SD カードなカレントディレクトリを変更します(SDカードから離れます)。下記コマンドで SD カードをアンマウントし、カードを「押して」引き抜きます。
- fdisk /dev/hda コマンドを実行し、p [enter] で構成をメモします。シリンダは以下の通り。
- SL-C3000
- hda1 : 1-204 [83 Linux](100MB 程度)
- hda2 : 205-1020 [83 Linux] (400MB 程度)
- hda3 : 1021-7936 [0c Win95 FAT32 (LBA)](残りすべて)
- hda4 : 1-1 (00 empty、未確保パーティション。無い環境もあるかも?)
- SL-C3100
- hda1 : 1-20 [83 Linux](10MB 程度)
- hda2 : 21-40 [83 Linux] (10MB 程度)
- hda3 : 41-7936 [0c Win95 FAT32 (LBA)](残りすべて)
- SL-C3200
- hda1 : 1-20 [83 Linux](10MB 程度)
- hda2 : 21-40 [83 Linux] (10MB 程度)
- hda3 : 41-11905 [0c Win95 FAT32 (LBA)](残りすべて)
コンソール経由の手動リストア手順
手動復元の方法です。なお、SL-C3000 の fdisk には変なバグがあるため、別途 fdisk を入手してそのコマンドを用いています。
(fdisk によるパーティション切り直しは割愛です、ここでは復元のみ。Linux を理解している方には容易ですし、理解していない方には危険だからです)
- メンテナンスカーネルで、以下のコマンドを実行します。
- cd /mnt/card/Documents/
- gzip -dc slc3000-hda1.gz > /dev/hda1
- gzip -dc slc3000-hda2.gz > /dev/hda2
- mkfs.vfat -F 32 /dev/hda3
- 「mkfs.vfat -F 32」の変わりに 「mke2fs -j」 にすると ext3 なファイルシステムにできますが、ストレージモードが利用できなくなります (Windows から「初期化されていないリムーバブルメディア」と見なされるため)
- 以下のコマンドで電源をオフにします。
- shutdown -h now
- バッテリーのふたをあけ、リセットボタンを押します。
- 通常起動を試します。